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shake's COUNTRY LIFE
coutrylife.exblog.jp
2004.2.8.
『キブツ』の講演会に行って来た。
講師は山中湖に住んで喫茶店もやっているという樋口範子さんというヘブライ語文学の翻訳家だった。

『キブツ』というのは戦後イスラエルというユダヤ人の国家が新たに出来たときに、ホロコーストなど過去のねたまれる原因になったいろいろな国での金権主義を反省し、理想的な人間本来の生き方をめざし建国にあたって考え出されたという国営の農場村だ。

樋口さんは東京生まれで田舎もなく、農業をやる事にあこがれていた60年代の終わりに、高校を卒業と同時にイスラエルへ行き『キブツ』で2年間農作業をして暮らした。その時の経験とイスラエルの歴史的状況と現状ををわかりやすく話してくれた。

当時、国中に600の『キブツ』があり人数は1000人前後。
そこでの生活はとてもシンプルで、朝は4時から夕方の4時まで農作業をはじめ、あらゆる事を住民で手分けをしてやる。
頭脳労働と、肉体労働の平等評価。
食事もとてもシンプルで一週間に分けてきっちりメニューが決まっている。
そして夕方から寝るまではみんなでダンスを踊り、映画を鑑賞し、おしゃべりをして過ごす。
『キブツ』の中ではすべての人が平等で、財産もお金の概念もなく衣食住はすべて配給でたばこなどの嗜好品を得るためのチケットがあるだけ。
代議士はいなく決めごとはなんでも全員参加の総会で決めるなど他にもいろいろあった。

理想的な社会主義国家のようでもあるけど、出入りは自由なので、どちらかというとヒッピーコミューンをまじめにしたような物のように思える。
その時代、人々はみんなとても豊かで喜びに満ちていたという。
最近、アメリカとかでも評価されているらしい。

樋口さんも『キブツ』で過ごした2年間はもっとも充実し、輝いていたと言った。
アポロが月に降りるところを、全員でたったひとつのテレビで一緒に見た感動が忘れられないと言っていた。

ただ最近は、それぞれ電話、テレビ、冷蔵庫を持つようになり、人々の絆が薄れてしまっているらしい。

もし自分がそこにいたらどうだろうと考えてみた。
きっとしばらくは素晴らしい時間が持てると思うけど、ギターも弾きたいし、一人でいること、人と違うことをするのが好きなので、そのうちどこかに行きたくなっちゃうだろうと思った。

Shake
BIG LOVE
by shake_countrylife | 2004-02-08 14:42 | 2004.1~3
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